「足元の宝ものを未来へつなぐ」

おくずかけアンケート一覧

※石巻在住10代~80代まで延べ72名にアンケート調査実施(2022年) 調査・まとめ:トリオロスタイム

 


◆ 母の味

 

・母(登米)の味です。(登米町出身 50代女性)

・亡くなった母はくずかけと炊き込みご飯が自慢で、出が他の地方出身の主人も大好きな汁物です。私も時折作っては喜ばせております。(石巻出身 70歳女性)

・お盆とかお彼岸に母が作ってくれた味を思い出しながら、自分なりのおくずかけを作っています。(石巻出身 70代女性)

・結婚前は、母が季節の野菜を入れた“くずかけ”を作ってくれた。具沢山の温かでトロっとした感じが好きだった。結婚後は、お彼岸以外ほとんど作らなくなった。 (石巻出身 50代女性)

・食べる方が専門で、作ったことはありませんでも、母や姉、親戚が作って群れるものは美味しくて、食べるのがとても大好きでした。 (石巻出身 70代女性)

・昭和、子供のころの最高のごちそうでした。今でも毎月自分で作っています。母の味には到底無理ですが。(石巻出身 40代男性)

・私が子供のころは、そうめんなどの麺類を入れたという懐かしい思い出が、アンケートのお陰でよみがえりました。県外で忙しく働く娘が「くずかけ」を懐かしがった時には、宅急便で送ることも度々あります。(石巻市出身 70代女性)

・他界した母の味が一番です。自分でも作ってみたりしましたが、もう10年以上食べてすらおりません。 (石巻出身 50代女性)

・祖母の味、という印象。何かあった時に食べたられるけど、普段はたべられない。でもなんか、すきだったねー。(石巻出身 50代女性)

・母の味。お葬式の時に作った。 (石巻出身 70代女性)

・実家でよく食べた。人寄せの時が多かった。今はあまり作らなくなった。 (美里町出身 70代女性)

・自家製のコンニャクと季節の野菜で作る具沢山のおかずになる汁物。温かくほっこりした思い出もあります。現在は、姑の味も加わって娘や姪たちが懐かしがって食べてくれています。(石巻市出身 70代女性)

・結婚前は、母が季節の野菜を入れた“くずかけ”を作ってくれた。具沢山の温かくトロっとした感じが好きだった。結婚後は、彼岸以外はほとんど作らなくなった。(石巻市出身 50代女性)

・仙台の実家では、春と秋のお彼岸によく母が作っていました。子供たちもその味が懐かしいと今でも言っています。所によって醤油の味が違うので、仙台の母の味にはなりません。(仙台市出身 70代女性)

・お盆とかお彼岸に母が作ってくれた味を思い出しながら、自分なりのおくずかけを作っています。 (石巻市出身 70代女性)

・しょっぱいね。姉も母の子 母の味。 (石巻市出身 70代男性)

・私の家では、何かの行事の時、汁物はくずかけでした。具沢山で色々なものが入っていたことを思い出し、母を思い出しながら折々に作っています。子供たちにも喜ばれています。(石巻市出身 70代女性)

・涌谷出身の母が良く作ってくれたので、懐かしく思います。今は一人暮らしの為作れず、孫の入学祝の時には市販のお赤飯だけでお祝いしました。セットのくずかけがなかったのが、ちょっぴり寂しかったです。(石巻市出身 80代男性)


◆ おくずかけ+○○

・お祝い事の赤飯と一緒に食べている。(石巻出身 石巻出身 70代女性)

・おはぎと一緒に出てくる。お寺でご飯を食べると出てくる。学校の給食にも出てきたが、味はさっぱりしていた。(石巻出身 20代女性)

・お祝いの時、お赤飯に付き物です。材料がある時、気が向いた時作ります。栄養があって、上品な食べ物だと思います。(石巻出身 70代女性)

・赤飯とセットで食べるイメージです。くずかけだけお代わりして食べたいくらい好きです。 (女川町出身 20代女性)

・お祭りの時に「お赤飯」と一緒に必ず作ってもらいました。 (秋田市出身 70代女性)

・入園、入学などのおいわいごとがあると、赤飯とセットなのが「おくずかけ」。お彼岸にもつくります。子供が小学校のころ、授業で郷土料理を学ぶ際、熱心に「おくずかけ」のことを調べていました。学校でも作ったり、年に何度か出るようです。良い事だと思います。(石巻市出身 50代女性)

・お祝い事で、必ず作るお赤飯とくずかけ。娘婿が大好きなので、来る時には作るようになりました。大鍋で沢山作ると美味しいですよね!

(石巻出身 60代女性)

・ぼたもちが大好きだった夫は、勿論くずかけも大好物。当然セットメニューと思っていたようで、頂き物のぼたもちにも「あれ?くずかけは?」と要求されたものです。季節ごと、また仏事には、人参などの赤いものを入れないなどと仏事慶事で中に入れる具も異なります。我が家では祭事に関係なく、遠方からのお客様には必ずおだしすることにしています。 (石巻出身 70代女性)

・季節ごとに食べるので、具材もその時によってちがいます。ぼたもち+くずかけは最強の組み合わせです。(石巻出身 50代女性)

 


◆ 行事食

・法事、彼岸、お盆などの折には必ず! (石巻出身 70代女性)

・家ではお盆の行事食的なものでした。 (石巻出身 70代女性)

・昔は、冠婚葬祭の時に必ず食卓に上ったが、結婚後はあまり食べていない。(石巻出身 40代男性)

・お祝い事や仏事でよく食べた。親戚が集まって、にぎやかだった。 (石巻出身 70代男性)

・盆正月には必ず作る。その他、食べたいときに作る。 (石巻出身 40代女性)

・お正月やお盆などにみんなが集まるときに、おばあちゃんが、必ず寸胴鍋いっぱいに作っていました。(石巻出身 20代女性)

・石巻に来て初めて食べたのが、お葬式の時でした。嫁として他の家の色々な味のものを食べ、今はその中から家に合う味にしました。(仙台市出身60代女性)

・石巻は鳥屋神社(羽黒山にある神社)の祭礼日5月5日にお赤飯を炊き、くずかけと煮しめを作る。お赤飯は重箱に詰めて、近所の親戚に配った。 (石巻出身 70代男性)

・母の実家がある大崎村では、お盆には必ず「くずかけ」が出されて、大汗をかきながら、口でフーフー冷まして美味しくいただきました。(子供のころは早食いだったので、唇や舌を火傷して母に叱られていました)真夏なので暑い料理は遠慮したい方には「からしべろ」と言って温麺にからしを割いたそばつゆを少々かけて供されました。 (仙台市出身 40代男性)

・幼い頃には、冠婚葬祭時に、いかにも格の高そうな蓋つきの塗わんで出されました。次第に日常の食卓に上るようになり、今では行事に関係なく時々作って食べています。食材の無駄もなくヘルシー感たっぷりです。(昔は20代だった女性)

・4月20日に港の一皇子神社のお祭りがあり、重箱に入ったお赤飯と共に、自転車で親戚に配った思い出があります。津波やコロナ禍で、人寄せも少なくなって、食べる機会が減って寂しいです。(石巻市出身 70代男性)

 


◆ 具沢山・ヘルシー・無駄がない

・85歳の、野菜を作っている老母がいるので。具沢山のくずかけを食べることが、今の時代希少だと思う。妻はほとんど作ってくれないが、ヘルシーで無駄のない“くずかけ”はまさにSDGsにかなった郷土料理で、子供にも伝えてもらいたい。(石巻出身 50代男性)

・幼い頃、主にお彼岸やお盆に食していました。季節ごとの野菜を無駄なく使い、これぞという時くずかけを一品加えることで、十分に食膳をグレードアップできたように思います。まさに今では、伝えていきたい宮城の郷土料理の代表といえると思いかえしました。今はほとんど作っていませんが。(女川町出身 70代女性)

・人寄せのある時には必ず手作りしています。具沢山で、食材の味が出て、いつも美味しく食べています。 (石巻出身 70代女性))

・入手できる材料を無駄なく使って調理しますが、具の数が9種にならないように数をそろえています。(石巻市出身 70代女性)

・くずかけは、「くずがげ」といっています。いえにあるもの、冷蔵庫にあるもので、時々作ります。以前は、「法事」や「人寄せ」の時に作っていましたが、今は普通に家のおかずとして作ります。(石巻出身 60代女性)

・幼い頃からよく食べています。地場野菜がふんだんに入っていて体によさそうなので、私が家庭を持ったら、是非家族や子供たちに作って食べさせたいと思います。(石巻市出身 10代女性)

・戦後の食糧難の時、身近にあるものを駆使して作った思い出があります。今では、ぼたもち、赤飯などに添える汁物にして食べていますが、今健康でいられるのは、幼い頃のくずかけのお陰かも知れません。(石巻市出身 80代女性)

 


◆ 具いろいろ

・聞いたところ、ホヤを入れる所があるそうです。だしがでるとか。(石巻出身 70代女性)

・嫁いだ時にとても驚いたのが、サケの水煮缶を缶汁毎入れる事でした。漁業家でサケマスをとっていたこともあり、地区では昔そうしていたとのこと。仏事の時にも平気でした。たぶん100年以上前からの事と思います。初めはびっくりでしたが、今ではそれなしでは食べられない位美味なものと思います。(仙台市出身 70代女性)

・魚は鮭を使っていました。くずかけは赤飯と共に食べるものでした。給食に出た記憶があります。(石巻出身 60代女性)

・女川の美苑というレストランがあり、マスターが生姜やそうめんを入れていました。(石巻出身50代女性)

・涌谷町では、豆腐を型にしないで作ることにびっくりしました。 (石巻出身 70代女性)

・法事や祝い事で、その時に家にあるものを入れてつくりました。石巻に嫁いだ時に糸コンが入っていたので、うどんの代わりかな?と思いました。(東松島市出身 80代女性)

・仏事では、赤い人参を省き、薄口醬油で仕上げた。普段は定番野菜を入れて、濃口醬油で作る。(石巻市出身 70代女性)

 


◆ 寒い日のご馳走

・特に冬の寒い時、暖かくて美味しかった。(美里町出身 70代男性)(石巻出身 60代女性・70代女性)

寒い時に食べるのが一番好きです。体が温まります。沢山の具材を一度に食べられて、味もよくとても美味しくいただいています。(塩釜市出身 60代女性)

・寒い時に、母が作ってくれるイメージ。寸筒鍋で作るので、2~3日食べ続けることになる。(石巻出身 30代女性)

・温泉に行った際、夕食に出て来た事があります。トロっとして温まり、とても美味しかった思い出があります。(仙台市出身 40代女性)

・幼いころ、古川出身の祖母が作る季節の野菜一杯のくずかけが、美味しく暖かかった事を思い出します。  (石巻出身 50代男性)

・出身地の登米では、寒い日に季節の野菜をふんだんにいれたくずかけを、日常的に食しました。石巻に嫁いで、特別な時にだけの印象があり、驚いたという思い出があります。娘にも是非伝えていきたいと思います。(登米市出身 70代女性)

 

 


◆ その他あれこれ

・石巻の皆さんは、「おくずかけ」に対する愛着が強いと感じることがあります。「お」を付けるのは面白いですね。(福島市出身 50代女性)

・会津地方の郷土料理に「こずゆ」というのがありますが、くずかけとよく似た料理でした。(石巻出身 70代女性)

・片栗粉の分量なのかいつの間にかとろみがなくなってしまうのが難しい所。でも具沢山で食材からも出汁があるので、少々の事は誤魔化せるが。(石巻出身 70代女性)

・義姉さんが上手で私は中々味が出ませんでした。「味どうらく」を使うとうまくいくよと言われ、作っています。(石巻出身 50代女性)

・我が家では、ずーっと「あんかけのおつゆ」と呼んでいました。「おくずかけ」というのを社会人になってから知りました。 (石巻出身 40代女性)

・今のように物の沢山ある時代にはそぐなわないでしょう。ご飯のおかずに「くずかけ」でした。(石巻出身 70代女性)

・結婚後山梨県甲斐市在住の娘が「くずかけ」の事を話したところ、知らない人が多く驚いたという。宮城県発行の「郷土の料理」が手元にあったので、コピーしておくったことがあった。 (石巻出身 70代女性)

・食べたい!(石巻市出身 60代男性)

・「お」くずかけと「くずかけ」では、大分印象が違う。初めて食べた時に、文化の違いを感じました。具沢山の汁に唖然としました。

(千葉県出身 40代女性)

・郷土岩手では、うどんの上に暑いくずかけをかけて食べていました。結婚後に石巻で、夫の叔母に厳しくその家の作り方を教えてもらいました。今でも時々作ります。ありがたい教えを守り、娘にも是非伝えたいと思います。(岩手出身 女性)

・食べたいときに作る。でもお彼岸やお盆には必ず作る。東京の知人が「作りたいが、東京では豆府を売っていない」というので、こちらから送ってあげていた。(石巻市出身 40代女性)

 


◆ 寄せられたエピソードから見えたこと

「くずかけ」は、冠婚葬祭の折に供される行事食!

お盆、お彼岸、氏神様のお祭りなど、季節の移り変わりと共に暮らしの中に根付いてきた郷土の宝でもあります。

具材は家庭により異なり、家の味、母の味として受け継がれています。

とはいうものの、季節感が希薄となった今の生活スタイルの中では、「懐かしい味」になってしまいそうな心配も見え隠れします。エピソードの中にあった「人寄せ」という言葉も、家の中で冠婚葬祭の行事をしなくなったこともあり、死語になりつつあります。

いかがでしょう!「アフターコロナはくずかけパーティを!」